ウォッチドッグス レギオン

『ウォッチドッグス レギオン』ゲーム内のアクセシビリティについて

2020年10月29日発売予定のオープンワールドアクションゲーム『ウォッチドッグス レギオン』は、コントローラー設定、オーディオキャプションなど、ゲームプレイにおける豊富なカスマイズ機能を備えています。 

これは、より多くの人が、潜在的な障壁を気にせずに、ゲームを遊びたいと思った時に遊べるようにするための取り組みのひとつです。   

Ubisoft Kyivにいるアソシエイトプロデューサーの Mihai Alexandru Nutaが、『ウォッチドッグス レギオン』のアクセシビリティ機能の実装するプロセスと開発者たちがその過程で学んだこと、そしてこれまで他のユービーアイソフトの作品で取り組んできたアクセシビリティへの対応が、今作にどのように受け継がれているのかを語ってくれました。 

様々なカスタム機能がアクセシビリティにとってなぜ大切なのですか?

Mihai Alexandru Nuta(以下MAN): 

ゲームをより長い間遊んでもらうために、カスタマイズの機能は重要です。プレイヤーたちが異なるアプローチでプレイすることができるようにすることで、より時間を費やしてもらえるようになるのです。どんなプレイスタイルであれ、すべてのプレイヤーが持つ障壁を取り除くようにしたことで、カスタマイズへの取り組みを強化することに繋がりました。 

『ウォッチドッグス レギオン』で、チームが目指した基本的なオプションとはどんなものでしょうか

MAN: 前作『ウォッチドッグス2』におけるアクセシビリティとカスタマイズ機能は、私たちのチームの取り組みのはじめの一歩でした。まず最初に、このオプションをPC向けに開発を行いました。たとえば、複数のセーブデータを保存できるようにしたり、コントローラー操作をカスタマイズできるようにしたり、様々なデバイスを使用できるようにしたり、ビデオオプションメニューを用意しました。これらのオプションを追加した後すぐに、もっとできることがあるのではないか、そしてこれはすべてのプラットフォームで向上できるのではないかと気が付きました。 

ユービーアイソフトの過去作品の中から学んだこと、そしてそれがどのように『ウォッチドッグス レギオン』に影響を与えましたか? 

MAN: もっとも覚えている教訓として、できるだけ早い段階から着手し、すべてが拡張性のあるものにする必要があるということでした。UI(ユーザーインターフェース)、HUD(ヘッドアップディスプレイ)、メニューそしてオプションなどがそれに当たります。また私たちは、設計や技術的な問題を素早く特定するためにも、『ファークライ』、『アサシンクリード』、『ゴーストリコン』など、他の開発チームとも共に仕事をすることを意識していました。これらの取り組みは、私たちが使用しているゲームエンジンや技術、リソースなどの面での制限を指摘し、克服するためにどうすればいいのかと取り組むことができました。 

フィードバックのプロセスなどはありましたか? 

MAN: フィードバックの機会は定期的にありました。プロトタイピング、レビュー、改善、テスト、その繰り返しです。プロダクトディレクターたちは、作品の中で機能がきちんと備わっているか判断するのに大きな役割を担っていました。また、社内外でプレイテストを実施する機会もあり、様々な設計や決断がどのように影響するのか、または改善するのかを判断することができました。また2018年に Ubisoft Montrealが主催した「Accessible Design Workshop」では、コミュニティメンバーから多くのことを学ぶことができました。彼らは開発初期段階のものを遊び、どうすればよりアクセシビリティを向上できるのかというフィードバックをくれました。 

7月に実施したUbisoft forwardでは、多くのインフルエンサーが『ウォッチドッグス レギオン』のデモをプレイする機会がありました。そこからアクセシビリティの向上に関するフィードバックも多くあったと思いますが、どんなものがありましたか?また、発売に向けてフィードバックを反映したものはありますか? 

MAN: Ubisoft forwardでの取り組みは、アクセシビリティの面からもとても良いチャレンジでした。プレイしていただいた方からのフィードバックはとても有益なものでした。改善した点についてはまた発売時にお伝えできればと思います。今回のフィードバックから学んだことの例として、音声字幕の認知過多、オートエイムやオートカメラがカバー時に影響を及ぼすこと、そして「Esc」キーを使用してドローンや車両のハックから終了すると不具合がでることなどがありました。 

『ウォッチドッグス レギオン』では一度に多くのことが発生することが多いですが、ゲームをデザインする際に、そのような認知的なアクセシビリティについてど取り組みましたか? 

MAN: 同時に画面に表示される字幕を減らすようにいくつかのシステムを利用しています。ゲームプレイ中のイベントでは、表示を調整するフィルターを有効にしました。ゲーム中に登場するパズルには常にヒントが表示されており、認知的な障壁を支援するためにも簡略する機能も備えています。UIは良い結果になるまで何度もデザインし直しました。ゲームプレイ中に表示される多数の静的、動的HUD要素を考慮にいれ、プレイヤーにどうすれば認知的な過負荷を生じさせないようにするかに取り組みました。 

プレイヤーがアクティブにするオプションに加え、例えばアルビオンの警備員が警棒を振り上げるときに音がでるなど、ゲームプレイ中にもアクセシビリティに関連するようなものが直接組み込まれています。アクセシビリティをより幅広く統合していく方法を考えるのはどのくらい困難なことでしたか? 

MAN: この質問にはその回答が含まれていますね。最も難しいのは、ゲームがリリースされる前に、アクセシビリティの障壁を特定することあります。それを達成するためには、ベストプラクティスに従い、障害を持つプレイヤーも巻き込んでフィードバックを提供してもらい、すべての人に利益をもたらすツールとしてのアクセシビリティを考え続けることが必要でした。 

障害の有無を問わず、多くのプレイヤーは、字幕などアクセシビリティ機能プレイ中に使用しています。これらのカスタマイズ機能を用意することは、すべてのプレイヤーにとって有益であると思いますか? 

MAN: すべての機能を用意することが私たちの目標の1つです。たとえば、プレイヤーの周囲の状況をハイライトしてくれるピン機能は、アクセシビリティとして、視力の弱いプレイヤーを助けるだけでなく、次に何をすべきかわからないプレイヤーのサポートにもつながるため、すべての人のゲームプレイに利益をもたらすと考えています。 

これらの機能に関して成功といえるものはなにかありますか 

MAN: アクセシビリティの機能は直近のUbisoft Forwardで使用したデモに初めて反映されました。そこでのフィードバックはとても大切なものであり、発売にむけての最終調整に大いに役立っています。これからも改善を続け、私たちが提供する機能が、すべてのプレイヤーにロンドンの街への没入感を提供してくれることを信じています。 

以下は、『ウォッチドッグス レギオン』においてアクセシビリティを向上させるため、現在用意されているカスタマイズ機能の一部です。各項目の後ろにはこれらの機能によりどのような要素に効果があるかを明記しています。より多くの機能は本作が発売される2020年10月29日をお待ち下さい。 

操作 

コンソール版、PC版両方 

・ゲームパッドによる操作は、アナログスティックの感度や反転など、カスマイズ可能 (操作、理解) 
・歩く、エイム、ハック、武器選択、登る、走る、エモートホイールなど様々なインプットデバイスへの長押し/ホールドのオプション (操作) 

PC版のみ 

・マウス、キーボード操作は、マウス感度を含めカスタマイズ可能。 Xbox アダプティブ コントローラーやXbox アクセサリアプリにも対応(操作、理解) 

ゲームプレイ 

・エイムアシスト、 照準マグネティズがカスタマイズ可能 (操作、理解)  
・照準ロックオン–強化されたエイムアシスト機能により、選択可能なオブジェクトにさまざまなアクション(戦闘/射撃、ハッキング、運転)実行できる (操作、視覚、理解) 
・登場するパズルには常にヒントが表示されており、認知的な障壁を支援するためにも簡略する機能も備えています (理解、視覚、操作) 
・プレイヤー周辺のすべてのインタラクティブな要素をスキャンして強調表示するピン機能 (視覚、理解、動作、聴覚) 
・セットしたGPSマーカーまで追跡するオートドライブ機能 (操作、理解、視覚) 
・画面の揺れなどのモーション効果を制限するオプション (酔い、頭痛、理解) 

HUDとUI 

・HUDカスタマイズオプションにより、各要素の表示/非表示を変更することができます (視覚、理解) 
・HUDやUI、ゲーム内に登場する警備レーザーなどの色を色覚多様性に合わせて変更できる3つのプリセットを用意 (視覚、理解) 
・HUD全体を見やすくするコントラストオプション (視覚、理解) 
・デフォルトで背景とテキスト、UI要素のハイコントラストを確保 (視覚、理解)
・ゲーム内に視覚的なヒントを用意(GPSによるルート案内、目的地マーカー、ヒントなど) (視覚、理解、操作) 
・照準の色、スタイル、サイズを変更可能 (視覚、理解) 
・ゲーム内のメニュー全体でプレイヤーを簡単にガイドするメニューナレーションモード (視覚、理解) 

字幕 

・字幕に発話者の名前を表示する(聴覚、理解)  
・字幕のサイズ、色、背景の設定 (聴覚、理解、視覚) 
・マップ上で発生するイベント、NPCの発言のクローズドキャプション機能(聴覚、理解)
 ・爆発、サイレン、発砲音などゲームプレイに重要な情報のゲームプレイイベントの字幕設定。イベントの表示を調整可能 (聴覚、理解) 
・効果音の字幕に矢印が表示され、イベントがどの方向で発生しているのかを表示できる(聴覚、理解) 

チュートリアル・リマインダー 

・ゲーム内に多くのチュートリアルを用意、また読むことのできるチュートリアルもいつでもメニューから表示できる(理解) 
・採用、戦闘、装備、ハッキングテクニックなど、ゲーム内に登場するほとんどのアクションは、ゲームプレイを通じて学習することが可能(理解) 
・ゲーム内で必要なアクションが実行されるまで、重要なチュートリアル情報が表示される (理解、視覚) 
・操作方法がビークル、ドローン、スパイダーボットの運転/操縦時に表示される(理解、操作、視覚) 
・画面の左側にミッション目標が表示され、現在のミッションをやめなくても、ゲーム内のメニューからミッションとサイドミッションに関する詳細が表示できる (理解、視覚) 

オーディオ 

・様々な音や音楽の音量を調整できるボリュームスライダーを用意(聴覚、視覚、理解) 

オープンワールドアクションゲーム『ウォッチドッグス レギオン』は、 Xbox One、PlayStation®4、PCダウンロード向けに2020年10月29日に発売予定です。 Xbox One版またはPlayStation®4版の『ウォッチドッグス レギオン』を購入された方は、Xbox Series X版またはPlayStation®5版を追加費用なしでプレイすることができます。対応時期については続報をお待ちください。 

この記事はUBISOFT newsを元に作成しています。